【インタビュー】~香川オリーブガイナーズOB選手訪問・埼玉西武ライオンズ後篇~ 水口大地選手(9月13日 香川オリーブガイナーズ)

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2016年シーズンが開幕すると共に、あの『盗塁王』が一軍の舞台を駈ける姿を香川県の地上波放送でも見られるようになった。そして一軍の舞台での経験や活躍が自信になり、水口選手はより一層大きな選手へと成長を遂げようとしていた。

待望の水口選手支配下登録の便りは昨年2015年7月末に届いた。支配下登録選手として初めて背負う「00」という背番号に所属球団からの期待の大きさがうかがえる。育成選手として迎えた3年目の夏のできごと。水口選手は二軍選手として7月、9試合に出場し29打数12安打、打率.414を記録、育成選手ながらイースタンリーグの月間MVPを受賞した。
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支配下登録前日の夜、水口選手の携帯電話に球団関係者から一本の電話があり、「明日話がある」「(何の話かは)分かるだろ」と告げられた。水口選手はなんとなく心の準備が出来た状態で翌日の練習に参加し、その後事務所で正式に契約の話を受け取ったそうだ。

「支配下選手になったからといって練習量や指導内容に変化は無いです。むしろ育成選手であっても他の支配下選手と同じ、熱心に指導をしていただきました。もう僕も野球選手としては歳ですし(笑)」そう笑いながら答えた水口選手が故郷・長崎県から香川県にやってきたのは20歳の頃。水口選手は今年でもう27歳を迎えていた。

今までの舞台とは比べ物にならないプレッシャーを感じる一軍の舞台。「もーのすごい緊張しますよ(笑)特に走塁面で。自分の場合、1点差もしくは同点の場面で出ることが多いので。アウトになれないタイミングですね」大観衆の華やかな舞台とは反対に、緊張から1人で吐くこともあったという。
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3月30日の一軍デビュー戦(対福岡ソフトバンクホークス・9回表、炭谷銀仁朗選手の代走)以来、登録を一度抹消されるまでにパ・リーグ5球団と計9試合の対戦を経験した。その経験が今の生活にも生かされている。一軍での経験のなかった昨年までの水口選手は、二軍の試合に出場すると毎回緊張していたそうだ。だが一軍を経験したことにより、その経験が自信となり今までより冷静に二軍の試合には挑めるのだとか。

とはいえ、「一軍に上がらないと香川県では自分が試合に出ている姿を見ることができないと思いますので…また一軍へ上がれるよう頑張ります。」と照れ笑いしながらうつむいた水口選手。香川県を離れて丸4年が経とうとしている。一時は一軍登録を抹消されたが8月23日の対オリックスバファローズ戦でプロ初安打を、9月1日の対福岡ソフトバンクホークス戦ではプロ初打点を立て続けに記録した。

今後も様々な経験を糧に“地平を駈ける獅子”の成長はまだまだ続く。
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(記事・写真:喜岡 桜)

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