【ニュース】香川ファイブアローズ、B1昇格ならず。B2プレーオフ・3位決定戦へ。(5月16日 香川ファイブアローズ)
B.LEAGUE B2 PLAYOFFS 2021-22 SF GAME3
5月16日(月) 19時 試合開始
香川ファイブアローズ●69-〇83 仙台89ers
@高松市総合体育館
(タイムアップ以降涙にくれた主将兒玉は、退場直前にやっとファンへ感謝の笑顔。満点の笑顔は次シーズンへ持ち越し)
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2戦先勝方式、勝ち進んだ側がB1昇格切符を手にする「2021-22 B.LEAGUE B2 PLAÝOFFS」SEMIFAINALS。東地区2位・仙台89ersとの初戦を70対84で落としたものの、ゲーム2では75対65と逆王手をかけた西地区王者・香川ファイブアローズは、1日のインターバルを挟んだ5月16日(月)19時から高松市総合体育館で第3戦を戦った。
仙台89ersにとってはBリーグ開幕時の2016‐17シーズン以来2度目、香川ファイブアローズにとっては悲願のB1初昇格がかかった超ビッグゲーム。試合開始当初はお互い固さが目立っていた中、最初に持ち味を発揮したのは仙台の側だった。守備で激しいプレッシャーをかけ、香川のリズムでプレーさせず。1Qシュート15本中11本を決め切る高い集中力も光った。
(上良のゴール下。この日は6得点したが、5ファウルで4Qに退場)
対して香川ファイブアローズはシュート成功が17本中5本。シュートの正確性を欠き、守備体制が整わないままにマークへ奔走する悪い流れが続き、18対28。思わぬ大差がつくスタートとなった。
続く2Qも仙台のエース、ジャスティン・バーレルにいきなり連続ダンクを決められた香川ファイブアローズは、兒玉、ウッドベリーが突進するが、ターンオーバーやタフショットでボールロストし、糸口が掴めない。30対56というプロバスケットボールとしては絶望的と言っていい点差をつけられてしまった。
(ウッドベリーは2人、3人を引きずってゴールに向かうシーンが目立った)
3Qも、最初の得点は仙台89ers・バーレルのダンクショット。香川ファイブアローズも、過去2戦でなかなかいい活躍ができなかった上良潤起が今シリーズ初の3Pショットを決めるなど3Qを19対12としたが、それでも19点差。2Qまでに負ったビバインドはあまりにも重すぎた。
4Q、フルコートプレスをかけても外国籍選手らやベテランをうまく使って躱され、仙台は24秒の攻撃タイムをいっぱいに使う安全策で時間を消費。1戦目、2戦目で抑え込むことに成功していたバーレルが31得点の爆発をみせ、仙台89ersが83対69で香川ファイブアローズを下し、6年ぶりのB1復帰を成し遂げた。
B1への挑戦はあと一歩の足を掛けながら先着を許した香川ファイブアローズだが、「ここまで積み上げた結果ここまで来れた」と石川裕一ヘッドコーチが話したように、今季の躍進は全てが色あせるわけではない。
一方で試合終了後、温かい拍手に包まれた会場内で、泣くほど悔しがった選手たちと同じ感覚で悔し涙を浮かべることができたファンや関係者がどれだけいただろうか?に思いを馳せざるを得ない。
仙台から大挙押し寄せたメディアの皆さんの後姿は宮城の人々にとっての期待の大きさ、重さの現れ。最後の一歩を踏み越えるのに必要なものとは何か?をプレスの皆さんから感じられた、といえば言い過ぎか。
高松市総合体育館の上に落とした涙の先にある歓喜の瞬間・B1昇格を迎えるために、同じくあと一歩でB1昇格を逃した熊本ヴォルターズをホームに迎え、5月20日(金)・21日(土)・23日(月)に2戦先勝方式で戦う「B2・3位決定戦」から、彼らの再挑戦は始まっていく。
<談話>
仙台89ers 藤田弘輝ヘッドコーチ
4年間、あとちょっとのところで悔しい思いをしてきたファンの皆さんに、B1昇格の目標が達成できてうれしい。東日本大震災もあって大変な想いをしている皆さんに「明日も頑張ろう」という気持ちを少しでも届けられたらうれしいし、これからもポジティブなものを与えられたらいいと考えている。この3試合は非常にタフなゲームで、香川ファイブアローズは素晴らしかった。来季必ずB2からB1に昇格するチームだと思う。
香川ファイブアローズ・石川裕一ヘッドコーチ
本当にありがとうございました。B1昇格に対してここまで応援してくれたことは僕たちの力になった。この悔しさを糧に来年リベンジしたいと思います。
香川ファイブアローズキャプテン・兒玉貴通
皆さんのおかげで貴重な経験をすることができた。今日は仙台が気持ちで上回っていたと思う。ただ、ブースターの声援はこれまで一番だったと思います。
(記事:寺下友徳)