【ゲームレポート】まさかのダブルスコアでの敗戦。新外国人選手 ジャービス ウィリアムズ、個人技で18得点を挙げるもほろ苦デビュー(10月24日 高松ファイブアローズ)

ターキッシュエアラインズbjリーグ2015-2016 Regular season 第4節第1試合
高松ファイブアローズ55-112滋賀レイクスターズ
@高松市総合体育館 10月24日(土)

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ジャー ビス・ウィリアムズ。待ちに待った3人目の外国人選手がスターティングとして登場した際、会場は大きな拍手が沸き起った。ここまで4勝2敗と好調のファイ ブアローズに高まる期待。対戦相手は4勝2敗で並ぶ滋賀レイクスターズ。勝率が同じとはいえ、岡田優、ジェフリー・パーマーといったリーグを代表するス ター選手が揃った滋賀に勝利するには伊藤伸由コーチが常々口にしている「選手間でのコミュニケーション・連係・連動」が何より重要だ。

最初に得点を決めたのはニノ・ジョンソン。滋賀はシュートを放つも決めきれず約3分間、得点はなし。「今日もいけるかも・・・」と思ったのも束の間、岡田の 3Pシュートを皮切りに滋賀が連続17得点。ファイブアローズはリバウンドを奪ってもボールが回らず、無理な態勢からのシュートに終始し決められない。 2Pシュートの成功率はわずか25%。対して滋賀はフリーになったサイドを効果的に使って得点を重ね、第1Qはファイブアローズ17点ビハインドで終了。 苦しい出足となった。

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(ジョンソンのゴール下は徹底マークをうけた。)

これまでの試合では、“チーム一丸”という言葉がぴったりの戦いを見せていたファイブアローズだが第2Qも第1Q同様、選手間の連係・連動が全く取れず、焦りからか個の力のみで打開しようとするシーンが目につく。が、個の力で勝る滋賀にそれで対抗できるわけもなく攻守ともに歯車は狂ったまま。ジュリアン・マブンガのピックアンドロールには全くといって良いほど対応ができず足が動かない。高田秀一、ジョンソンがディフェンスで気をはくも攻撃に結びつけられず 30点も点差をつけられて前半を終えた。

ハーフタイム、「練習でやっていることをやろう。自分たちのプレイスタイルに戻ろう」と伊藤コーチの指示をうけコートに立ったファイブアローズの選手たちだが立ち直るのは難しかった。今季、ここまでのファイブアローズはパスがよく回っていた。選手間でボールをシェアし、マークがずれたところでシュートを放つ・・・。これまでの勝利はそうしたプレイで掴みとっていたが、この日はそのシーンがほとんど見られなかった。たとえ誰かがそういったプレイをしようとしても意思が統一されておらず簡単なパスミスも。守備では試合前から“最も警戒すべき選手”とされていた岡田をフリーにしてしまい簡単にシュートを許してしまう。リバウンドは外国人選手頼みで日本人選手はボールウォッチャーになっ てしまう場面も多々見受けられた。先週まであんなにボールが回っていたのに、あんなに走れていたのに・・・。結局、最後まで自分たちのバスケができず、第3Q30点、第4Q29点の大量失点。まさかのダブルスコアでの敗戦となってしまった。

就任時から伊藤コーチはメンタルの弱さを危惧していた。今日は、その心配がもろに出てしまった格好だ。滋賀が特別に良かったわけではなく、開いた点差を縮めようとする焦りからの自滅。ここまで好調だったがゆえ自分たちのプレイができないことに対してのジレンマが増幅してしまったのかもしれない。ならば、今日の負けを明日の糧にして欲しい。2012年4月、ファイブアローズは浜松に56点差で敗れている。このゲームはそれをしのぐ57差での敗戦。
惨敗だが、これは単純な実力差ではないはず。巻き返せGo,FIVEARROWS!

そしてほろ苦いデビュー戦となってしまったウィリアムズ。合流2週間ということで連係不足は否めないが、それでもチームの得点リーダーとなる18得点をマークした。チームに溶け込み、戦術を理解し・・・、まだリーグ戦は始まったばかり、挽回してくれるはずだ。
javis

追記)高松ファイブアローズでプロデビューを飾り、今やリーグを代表する存在ともなった滋賀の岡田選手がファイブアローズの10周年にあたり「アローズは今でも特別な存在。アローズでの4シーズンが今の私の宝ものであり糧となっている」とのメッセージを寄せてくれていました。そんな岡田選手の前で“宝もの” にふさわしいアローズの姿を明日は見せて欲しいと思います。

○伊藤コーチ:

完敗です。J(ジャービ ス・ウィリアムズ)が初めての試合ということもあり気持ちが空回りした部分と、ほかの選手と息が合わなかった部分が1Qから4Qまで続いてしまった。その 空回りの部分でディフェンスもオフェンスも崩壊してしまったというところがあるので明日そこを調整してチームが一つになるようにやっていきたい。うちはラ ン&ランでアップテンポなバスケをしたいと言ってるんですが、今日はそれをブースターに見せられなかったので明日は気持ちを切り替えて、気持ちよ く走ってアップテンポなバスケになるよう頑張りたいと思います。滋賀の岡田選手は素晴らしいシューターなので3Pを打たせるな、打たせるなら2点のシュー トを打たせなさいと話していたんですが始まっていきなり2本連続3Pを打たれてしまった。それでうちが慌てだしてしまった。うちは挑戦するんだって気持ちを前面に出した時は本当に強い。ただその分、少しでも点差が離れてしまって気持ちが萎えてしまった時に脆さがでてしまう。そういったところが出ないように なれば、うちが(開幕戦で)浜松に勝ったことは決してまぐれなんかじゃない、爆発力のある強いチームだという事が証明できると思います。

○山下和樹選手:

た くさんの人が見に来てくれているなか、こんな試合はプロとしてありえない。ブースターの皆さんに申し訳ない気持ちでいっぱいです。チームとして練習でやっ たことが全然できていなくて、個人がボールを持ったらそれぞれ自分の考えで動いてしまった。それが1Qから4Qまで出てしまったのがこの点差だと思いま す。滋賀は前シーズンも有明まで行っているし格上のチームだとみんなが思っていて、そこに対して「やろう!」という気持ちがあったんですが空回りしてし まった。チームディフェンスもできていなかったし、リバウンドも全然取れていなかった。チームディフェンスができていなかったのは単純にコミュニケーショ ンがなかった、声が出せていなかった。最初に点差が開いて焦ってしまっていたんだと思います。個人の力で滋賀に勝つのは無理なので、明日はチームプレーで ものにしたいです。

ジャービス・ウィリアムズ選手:

チームに合流して2週間。内容としては、決して非 常に悪いものではないと思う。今、自分はチームメイトのことを知ろうとしているし、チームがどういうバスケをするかというのを学んでいる途中。自分のやる べき仕事をしっかりとやりながらチームの事を理解し明日につなげたいと思います。今日はジャンプショットなどミスがかなり多かったんですが試合前練習から しっかりと精度を確認し、簡単なミスをしないよう集中してプレイしていきたい。そうすることで、そのエネルギーがチームメイトにも伝わってみんないいプレ イができるようにするのが自分の役割だと思っています。今日は大差をつけられて負けてしまったけど、明日は違うゲームとしてしっかり全員で切り替えて臨む つもりです。

高松 TEAM 滋賀
10 1Q
27
13 2Q 26
14 3Q 30
18 4Q 29
55 合計 112

(高松:ウィリアムズ 18得点 、ジョンソン 14得点 18リバウンド 3ブロック、鈴木 12得点 3アシスト)

(滋賀:岡田 20得点 5リバウンド、パーマー 13得点 8リバウンド、ジョンソン 22得点 7リバウンド、マブンガ 19得点 16リバウンド)
※記録は速報のもの

(記事:中条さくら、写真:山中大地)

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