【アナリティクス】香川オリーブガイナーズの前期優勝をデータで振り返る~前半・激投!投手編~

四国アイランドリーグplus 2015前期シーズンは、21勝9敗4分の勝率.700、2位に7.0ゲーム差と大きく引き離して香川オリーブガイナーズが優勝を果たしました。 前期のガイナーズがどんな戦いぶりを見せてくれたのか、成績を基に振り返ってみました。
まずは投手成績を見ますと、チーム防御率2.12はリーグ1位。
なかでも抜きん出ていたのが、ドリュー・ネイラー投手です。 11試合に登板して4勝1敗2S、防御率1.37。個人成績では防御率、勝利数でリーグ2位に甘んじているものの、最優秀防御率の正田投手(愛媛、防御率0.90)とセイバーメトリクスの観点から比較すると、ほぼ互角の数字を上げています。 1イニングに許した走者の指標WHIP(wiki) は0.80で正田投手とまったくの互角。 1.14以下であれば優秀な投手とされるWHIPでこの数字は驚異的です。

野手の守備能力を度外視した投手成績DIPS(wiki)も2.04で同じ成績。ちなみに、中日ドラゴンズで活躍している又吉克樹投手がガイナーズに在籍していた2013シーズンのWHIPは0.98、DIPSは2.58でした。
奪三振率(9回換算の平均奪三振数)は8.39、与四球率(同与四球数)が1.53。正田投手の成績が奪三振率8.40、与四球率1.55で近似値となっており、こちらも又吉投手の2013シーズン成績を引き合いに出させていただくと奪三振率6.92、与四球率1.99でした。いずれの数字も又吉投手の成績を上回っており、2人のレベルの高さが窺えます。
ネイラー投手の優れた特徴は、何と言っても投球テンポの良さです。シーズン中に投げた球数は打者228人に対して802球で、1人当たりに要したのはわずか3.5球。 8度の先発でクオリティスタート(wiki)が7回と抜群の安定感を誇りました。また、2度のセーブ機会はいずれも無失点でセーブ達成。まさに大車輪の活躍で、前期MVPに選ばれてもおかしくない活躍ぶりでした。
前期シーズンのガイナーズではネイラー投手を大黒柱として、川崎投手、竹田投手を中心に先発ローテーションが組まれていました。
川崎投手は8試合に先発して49回1/3を投げ、防御率2.55で4勝3敗。 良いボールと悪いボールの差がはっきりしている印象でしたが、奪三振率はチーム3位の7.66、与四球率はチームワーストの4.56(投球回数1回1/3のウーを除く)となっています。
竹田投手は7度の先発と2度の中継ぎ登板で51回2/3を投げ、防御率2.44で3勝2敗。川崎投手同様、四球が多く奪三振率5.75に対して与四球率4.18という成績でした。 このふたりに共通した課題としては、やはり四球を減らす事に尽きます。
半分に減らす事が出来れば、防御率も今より1点ほど良くなる事でしょう。 開幕当初は中継ぎでの起用が予定されていたエドワーズ投手が、ふたを開けてみれば6試合に先発して4勝と活躍。 奪三振率は4.96と高くなく、与四球率も4.41と良い成績ではありませんが、特筆すべきは被打率の少なさです。被打率.184はネイラー投手の.176に迫る好成績。
ボールの握りが独特で、打者にとって打ちづらいボールを投げます。四球を減らす事で大化けする可能性を秘めた投手です。
リリーフ経験豊富な田村投手、そして新人の松本投手が勝ち試合の終盤に投げる、いわゆる「勝利の方程式」の役割を担いました。ふたり揃って20試合に登板しています。 田村投手の防御率1.56はリーグ5位、松本投手の1.38が3位となっており、ネイラー投手と合わせて、リーグの投手成績上位5人中3人がガイナーズ投手陣によって占められています。
田村投手の持ち味は緩急を用いた投球術と思い切りの良いマウンド度胸。 WHIP1.24は竹田投手と同じ数字ですが、防御率は1点近い差があります。奪三振率5.97、与四球率2.34。走者を背負っても果敢にストライクを投げ続け、切り抜ける場面が多く見られました。
松本投手の奪三振率は7.85で、チーム内ではネイラー投手に次ぐ2位。与四球率3.00は改善の余地があるもののまずまずの成績です。 WHIPは0.97と又吉投手クラスの好成績。荒削りながら一流投手になれる資質を持っています。

練習生と出場登録選手の間を行き来しながら5試合に登板して1勝を上げた新人、原田投手。 登板イニングが8回2/3と判断を下すにはデータがやや不足がちですが、被打率.172と力の片鱗を見せてくれています。 2年目の太田投手は先発で3試合、中継ぎで4試合に登板し、過密スケジュールの中で他の投手の負担を軽減してくれました。 防御率2.96で1勝2敗。負けが先行していましたが、最終戦の5月31日の高知戦で6回1失点、自責0と好投し白星を手にしました。 ウー選手は3試合の登板に留まり、防御率5.40と振るわなかったものの、ストレートの球威が増し成長ぶりを披露してくれました。
(記事:芝中 嘉一)
