【インタビュー】木島 良輔「マツくん相手に鍛えたドリブルで」カマタマーレ讃岐ラストインタビュー~前編~(1月25日 カマタマーレ讃岐)

 東京五輪・パラリンピックイヤーの2020年。「育成のガンバ大阪」を築き上げた上野山 信行ゼネラルマネージャー、かつて愛FCJ2に昇格させた望月 一仁監督の下、J3での2年目をスタートさせたカマタマーレ讃岐。そして新しい時代のスタートは同時に一昨年までJ25年間を闘ったクラブにとって「1つの時代の終わり」を意味する。 
 その象徴的存在だったのが爆発的なドリブルとゴールへの執念でサポーターを魅了したFW33木島 良輔である。高校サッカー界の名門である「帝京の10番」から1998年・横浜マリノス(現:横浜F・マリノス)入団以来、数多くのチームを渡り歩いた中、カマタマーレ讃岐には201320172019年の延べ6シーズン在籍した彼は40歳を迎えた昨シーズンをもって現役引退を表明。「4SPO」では今回その現役ラストインタビューを彼らしい「一人語り形式」でお送りする。
(後編は後日)
 

 

「あぁ、ありがたいな」~現役ラストゲーム~

  正直に言えば、今でもサッカーはしたいよ。でも、試合をやって不甲斐ないプレーはできない。実は昨年も最後はケガだった。10月20日(J3第27節・カマタマーレ讃岐vsガンバ大阪U-23戦)に出た後、右の足首をケガして。診断は2週間だったのに2か月経った(取材日は2019年12月20日)今でも痛い。

 

となると、クビになってもトライアウトは受けられない。そこからチームを探すのは……となる。そこで「40歳になるまでよくやったでしょ」と自分で思ったんだよね。(1歳下の)ガナ(我那覇 和樹・今季より福井ユナイテッドFC<北信越リーグ1部>へ移籍)とも話をして「切磋琢磨しながら頑張ろう」という話はしていたんだけど、途中からチームも勝てなくなって、モチベーションをどこに持っていっていいのかわからなくなってしまった部分もあった。どこかで区切りは付けないといけない。

 

2019年は難しいシーズンだった。シーズン後に上村(健一・前監督)とメシを食いにいった時に「何がダメだったと思う」と聞いたんだけど「ざっくり言えばマネジメントだよね」という答えが返ってきた。そうだと俺も思う。みんなは「チームのために」を考えてたと思うけど、上村さんの立場に立って考えると俺たち選手、特にベテランの立ち位置を頭に入れきれなかったんだろうなあ。

 

そういったことを特に感じたのは俺とイチ(市村 篤司)が引退を表明した後にあったホーム最終節のヴァンラーレ八戸戦、アウェイで1対5で負けた相手にベテラン中心に「イチやキジが引退するから、みんなで頑張ってやろう」となってくれて、すごくシュートを撃たれても身を投げ出して守って1対0で勝てた。もちろん、それを継続してできるわけではないけど「サッカーってモチベーションのスポーツなんだな。すげえな」と、俺はその時思った。フォーメーションとか、ビルドアップとかいうけど、最後はそこなんだな、と。

 

だから俺はちょっと嬉しかったよ。みんなが頑張ってきっちり勝ってくれたことに「ああ、ありがたいな」って。アキ(竹内 彬)とかベテランの選手たちには本当に感謝しているし、それだけに俺もこのチームのためになんとかしたかったね。

 

 

「マツくんとの1対1で」鍛えたドリブル 

 

俺がここまで22年間、サッカーをやってきた。高校選手権でヴェルディ(川崎・現J2東京ヴェルディ)と(横浜)マリノス(現J1横浜F・マリノス)から声がかかって、宮沢ミッシェルとかいろいろな人に相談してマリノスに決めて。そして1998年に入団した時はフィジカルコーチだった池田 誠剛さん(現:J1サンフレッチェ広島フィジカルコーチ)にはすごく世話になった。メシも連れてもらって、毎日マンツーマンで教えてもらった。そこにはシュン(中村 俊輔・元日本代表MF、現J1横浜FC)もいたんだよね。

 

1人でシュンはボールを蹴っていて「何やるの、何やるの、俺もやる」って感じて寄ってきて練習する。そんな感じだった。俺の得意だったドリブルもそこで磨かれた部分はあるかな。

 

実はマツくん(松田 直樹・元日本代表、2011年に34歳で急死)からは松本山雅FCで一緒になった時にはじめて聞いたんだけど、(オズワルド・)アルディレスが「1対1の練習はキジと一緒になってやれ。アイツは絶対上に行くから」と言ってくれていたらしくて。俺はいつも全体練習後はマツくんと1対1でマツくんを抜くか、マツくんが抜かせないかという練習をやっていた。

城(彰二)さんとも仲がよかった。夜に一緒にメシを食べた後、俺は城さんの家に泊まるのよ。城さんはプロというものを教えてくれた中で朝だけはくそ真面目で自分で朝飯を作って、お盆とメシができて横に置いたら「起きろよ」って俺を起こしてくれる。練習場へ向かう車の中では「今日の練習での目標を3つあげろ。そこに対する採点をしろ」ってアドバイスをくれるんだよね。自分より4歳下のヤツに対して、そこまで普通しないよね?

 

今、若い選手を見て改めて思うけど俺の20歳くらいって「負けたくないし。勝負事なんて普通じゃないっしょ。落ち着いて勝てるんなら勝てるけど、落ち着いて勝てますか?」と俺は上の選手に普通に言っていたし(笑)。

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