【プレビュー】10月6日・7日 2018-19・B2リーグ2節 香川ファイブアローズvs福島ファイヤーボンズ(10月6日 香川ファイブアローズ)

2018-19 B2 LEAGUE 第2節
香川ファイブアローズ VS 福島ファイヤーボンズ
10月6日(土) 18時 ティップオフ
10月7日(日) 130 ティップオフ
@高松市総合体育館
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香川ファイブアローズの開幕節は奈良に1戦目敗戦、2戦目は台風のため中止となった。
今節も台風に見舞われる見込みで、風雲急を告げるなかの2018-19Bリーグ 開幕である。
奈良との1戦目の負けも、前半に波に乗れなかったのは対外試合が少なかったことで試合にアジャストできなかった部分が大きいとみる。後半の追い上げこそ本来の実力と見たい。
大澤も故障で出られなかったなど危うい状況は、今節一息はつけるようになるかもしれない。
191㎝のPF立命館大学卒の原田 祥伍(はらだしょうご)と、192㎝のSF元山形で八王子ビートレインズからのレンタルとなる藤岡 昂希(ふじおかこうき・今節は出場不可)2名だ。待望の高身長選手加入は故障で若手フォワードが全滅、本調子と言えないベテラン頼みとなっているフォワードにとってまさに一息つける補強となる。
まずはディフェンスでアジャストして外国籍選手や高田らの休む時間を稼ぐのが求められる。
今節出場する原田は、練習を見る限りはガッツで外国籍選手にも喰らいついていく姿勢はあったので、大卒ルーキーのデビュー戦に注目しよう。

対戦する福島ファイヤーボンズは、仙台89ersとの開幕節を1勝1敗とした。森山知広HCとなって3シーズン目の福島は、いろいろとファイブアローズと通底する部分をもつ。
過去2シーズンの対戦成績はファイブアローズの6戦2勝4敗となっている。

〇香川ファイブアローズのここに注目!

アジャストできなかった部分は端的に故障者の穴と言っていい。タフディフェンスを課す衛藤HCのシステムにおいて、たとえ本人たちには言っていなくても、故障上がりの高田、堀川は抜けられては困るにもかかわらず、次の故障がチームにとっても選手にとっても致命的となるのは明白で、配慮は相当なものであったろう。そのソフトさが前半の悪さにつながっていた。新加入選手である程度は解消されるはずだ。
目立っていたのは、木村啓太郎。ディフェンスもさることながら、オフェンス面でドライブ主体のコンボガードとしての振る舞いが奈良ディフェンスを大いに苦しめた。特筆すべきは8本ももらったフリースロー。ずば抜けたスピードでディフェンスに正対させず、あるいは自らファウルとなるように体を狙って当てながらシュートを打つ。青森時代1試合平均1.5本だったフリースローは昨季平均2.1本となり、開幕戦ではそれをはるかに超える数字。
ガードの攻撃における仕事が相手の”ディフェンスをぶっ壊すこと”なのだとしたら、それはある程度できていた。
過去ファイブアローズにいたフリースローで得点を稼ぐ日本人ガードといえば?。竹田智史(06~11所属)や、鈴木正晃(10~16所属)が挙げられるが、竹田はダンクを得意とするなどパワー系でタイプが違うし、鈴木よりフリースローが得意。
木村はファイブアローズ史上もっともエキサイティングな攻撃型日本人ガードとなりうる片りんを見せてくれた。

〇福島ファイヤーボンズはこんなチーム

昨季東地区2位で、熊本と最終盤までプレーオフワイルドカードを争った日本人のうち、B1へ移籍の菅野以外の主力がほぼ残留。プレイヤーにタフディフェンスを課し、時に博打的な奇襲を用いる勝負師タイプの森山HCにとって、選手がたくさん残留し、戦術遂行力で一日の長があるうちに開幕ダッシュを仕掛けたいはずだ。
ネックは外国籍選手。1日目はイバン・ラベネルがファウルトラブルで長時間ベンチを温めた挙句5ファウル退場、2日目はクリス・ブレディが1Qに3ファウルを犯して20分しか出場できずと二人そろって安定した活躍をした日がなかった。
インサイドで競り合いに強い日本人選手も不足している事情もあり、両選手が常時30分程度以上出られる状況を作れなければ、上位勢に伍するところまで行けるか難しいだろう。

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ホーム開幕を迎えるファイブアローズは、本来であれば戦術遂行能力で相手に伍して、上回らなければならない。が、けが人が続出して新規戦力を頼りとせざるを得ない現状は被害少なく凌いで、戦力馴化、復帰までの時間を稼ぐ序盤戦という位置づけになってくるであろう。
その中でも、見どころは昨季からのメンバーの成長だ。取り上げた木村を筆頭に、石川はリバウンドへの積極性、安部もただシュートを打つだけでなく、外国籍選手とのコミュニケーションにそれぞれ成長の跡が見られ、昨季を知るファンにとって素直に驚ける程度の違いは感じられるはずだ。
注目したいのは衛藤、森山のHC対決。共にディフェンスからのトランジションを戦術の核に据えながら、相手特定選手を狙って思考を混乱させるディフェンス・オフェンスをしたり、レフェリーへの「コミュニケーション」で戦局を動かそうと試みたり、感情表現を敢えてオーバーにして相手選手・ベンチのミスディレクションを誘ったりと、いわゆる「正々堂々」ではない手段を使っている節がある。
おそらく、どちらも「相手のやり方がキライ」。そういったHCのマインド・ゲームに目鼻をきかせてみるのが、今節の楽しみである。

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