【ゲームレポート】 重松健太郎の2試合連続弾も 水戸の「想い」を凌駕できず(3月12日 カマタマーレ讃岐)

2018明治安田生命J2リーグ第3節 3月11日(日)
カマタマーレ讃岐1-2(前半0-0)水戸ホーリーホック
得点:讃岐:重松 健太郎(後半13分) 水戸:ジェフェルソン バイアーノ(後半8分)、伊藤 涼太郎(後半37分)
Pikaraスタジアム 14:03K.O
天候:晴、弱風、気温14.7℃、湿度41% ピッチ:全面良芝、乾燥
試合時間:90分
主審:吉田 徹朗 観衆:2,693人
記事:寺下 友徳

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(ハドルに加わる今季初先発の佐々木渉(14番))

2018明治安田生命J2リーグ第3節。前節・アウェイのツエーゲン金沢戦でMF重松 健太郎の移籍後初ゴールを守り切り、開幕2戦目で今季初勝利をあげたカマタマーレ讃岐は、ホーム・Pikaraスタジアムに2試合を終えて1勝1分、無失点の水戸ホーリーホックを迎えた。

この日は東日本大震災から7年目の「3月11日」。キックオフ前には黙祷が捧げられ、今この時にサッカーができる幸せと責任を確認しあった両チームはキックオフから球際で激しいバトルを展開した。

その中で、カマタマーレ讃岐は「相手DFの間でボールを受けて前線にパスを供給してく」役目を担いFC東京から移籍後初先発となったFW佐々木渉や、今季初先発となったキャプテンの高木和正らがゲームメイクを試みるも、水戸ホーリーホックの圧力に苦心する場面が多く見られることに。前半14分にはゴール前絶好の位置で得た直接FKのこぼれ球を最後がFW原一樹がヘディングシュートするも、これは相手GKの守備範囲。「ボールが行ったり来たりで、落ち着く場所がない(永田亮太)」まま、前半の45分は終わった。

ハーフタイムで両チームがプレッシングの位置やボールの動かし方を修正したことで、後半はお互いに決定機が生まれる状況に。
先制したのは水戸ホーリーホックだった。後半8分・カマタマーレ讃岐の右サイドを崩し、東京五輪世代の1人であるFW岸本 武流がクロス。そこにFWジェフェルソン・バイアーノがフリーで飛び込み、ヘディングシュートを決めた。

しかし、カマタマーレ讃岐の「東京五輪世代」も負けてはいない。後半13分にはMF佐々木匠がドリブルで中央突破。ペナルティーエリア近くでやや右に流れながら「最初は全部はがそうと思ったが、入ってくるのが見えたので」上げたクロスに反応したのは前節に続き左サイドで攻守に豊富な活動量を発揮していた重松健太郎。「トラップしたら相手DFに寄せられるので、ワンタッチで撃つしかない」決断と判断の結晶は、右足での2試合連続同点ゴールとなって結実。この時、サイドチェンジ、ボール奪取などいいプレーに的確な拍手が沸いていたメインスタンドと、多彩なチャントで選手たちを後押ししていたバックスタンドは、一気にボルテージを上昇させた。

その後も逆転を狙い、攻勢をかげるカマタマーレ讃岐。しかし、7年前には大きな被害を被った茨城県水戸市周辺地域をホームタウンとし「想いを持ってプレーする(長谷部茂利監督)」を改めて誓い合っていた水戸ホーリーホックは、後半37分・これも「東京五輪世代」の1人であるMF伊藤涼太郎が決勝ゴール。試合はこのまま2対1で終了。カマタマーレ讃岐は北野 誠監督も「徹底していた。素晴らしいチーム」と称えた水戸ホーリーホックの想いに一歩及ばず。ホーム初勝利はお預けとなった。

これで1勝0分2敗・勝ち点3。2得点3失点で順位は徳島ヴォルティス、ツエーゲン金沢と並び22チーム中、12位となったカマタマーレ讃岐。次節は3月17日(土)14時00分キックオフ・栃木県宇都宮市の栃木県グリーンスタジアムで今季J3から3シーズンぶりにJ2に復帰した栃木SCと対戦する。

そしてPikaraスタジアムでの次回ホームゲームは第6節・3月25日(日)・14時キックオフの大分トリニータ戦。栃木SC戦、3月21日(水・祝)開催の第5節・ジェフユナイテッド市原・千葉とのアウェイ連戦で「ポジショナルサッカー」の成果を出し、「3度目の正直」2018年ホーム初勝利を狙う。

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