【コラム】若手の成長が収穫。新生ファイブアローズ、初の対外試合は勝敗つかず。(9月4日 香川ファイブアローズ)
9月2日、香川ファイブアローズが同じB2の愛媛オレンジバイキングスと特別練習試合を行い、75対75で引き分けた。(練習試合のため延長戦はなし)
(記事:西村 志野 写真:西山 勝俊)
ファンクラブ早期入会の方にのみ開かれた客席の中、昨季からメンバーが大幅に入れ替わって初めての対外試合に臨んだ。
序盤は高田の連続得点などで一時リードするも立ちはだかったのは昨シーズン香川に所属し、今シーズン愛媛でプレーするタプスコット。
けがから復活したタプスコットに第2Qだけで11得点を奪われ前半を終えて9点を追いかける苦しい展開に。
後半巻き返しをはかる香川は徐々に点差を縮めると逆転し、逆転されて、を繰り返し迎えた第4Q、かつて高松ファイブアローズでbjリーグ準優勝を経験するウォーレンが3ポイントを決め残り時間30秒ほどで再び逆転に成功。
チームに帰ってきてくれてうれしいと喜ぶブースターの前でウォーレンがプレーで沸かせるが、その後フリースローで追いつかれた香川。初の対外試合を白星で飾ることはできなかった。
先月28日から31日までの小豆島キャンプを終えてすぐ行われた今回の試合。選手たちには疲れもみえたなか衛藤ヘッドコーチが収穫の一つとして挙げたのは若手の奮闘だ。
若手の一人、愛媛から加入した安部は地元・香川県出身。ヘッドコーチが「ゲームの入りはよかった」と声をかけたように
古巣を相手に3ポイントでチームに初得点をもたらした。しかしその後はシュートを決められず、後半はベンチから声で盛り立てる。「コート内外でチームを盛り上げられる存在に」とは言うが、その姿からは悔しさがにじみ出ていた。
「(シュートが)入ったら使うし入らなければ使わない。ヘッドコーチの考え、言葉は分かりやすい」と話す安部。地元で期待に応えるための目標は明確だ。バスケット漬けだった小豆島キャンプでの一番の思い出を聞くと安部からは「みんなで露天風呂に入ったこと」という答えが返ってきた。話す機会のなかった先輩ともかなり距離が縮まったようだ。
動き始めたばかりの新チーム。チームワークは徐々に磨かれている。チームワークの向上に比例するように新生ファイブアローズがどんなチームになっていくのか、期待したい。
衛藤HC「一問一答」
―初の対外試合を振り返って
予想通りまだまだ。どこと対戦しても間違いなく接戦、善戦にはなると思うが、フリースローを外すなど勝ち切るためにしてはいけないミス、そこの重要性を説いていかないといけないと思うし、前半42点とられている。後半とられたのは33点。後半ぐらいのディフェンスが最初からできればいい。
―新生ファイブアローズがめざすバスケット
ディフェンスからファーストブレイクにつなげて、点の取り合いをするのは厳しいので、まずはしっかり守らないと。今日の後半ぐらいのディフェンスは最低限やってもらわないと困るし、そこからファーストブレイクにつなげて相手のファウルを稼いで、勝つバスケットというよりは負けないバスケットをしていかないといけない。
―開幕に向けて
去年の順位、今のこの試合を勝ちきれないという実情を受け止めて1個ずつ積み重ねて、開幕戦でピークを迎えるのではなく、今シーズンのチームの方向性を正しながらいいスタートを切りたい。
大澤歩主将「一問一答」
―初の対外試合を振り返って
立ち上がり、ディフェンスが崩れてしまい悪かったが後半はそれを修正して競った形で自分たちの泥臭いプレーが出せた。個人的にフリースローを外しすぎたので反省している。
―見つかったチームの課題
リバウンド面、ディフェンスをもっと強化していかないといけないと感じた。
―主将として意識していること
若手、ベテラン、外国人選手といるなかで常に声を出すことは意識して、プレーもそうだがコミュニケーションの部分でもみんなの間に立てるように常に声をかけるようにしている。
―開幕に向けて
愛媛との試合で個人としてもチームとしてもいい点も悪い点も浮き彫りになったと思うので直すところはしっかり直して開幕にもっといい形で入れるようにしたい。