【インタビュー】Bリーグ開幕初年度を乗り越えて~徳永林太郎、高田秀一インタビュー・後篇(6月5日 香川ファイブアローズ)
前篇(リンク)に続いて。しり上がりに勝ち星を稼ぐようになった香川ファイブアローズ。坂東の加入、ケガについても2人が語ります。
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―第11節からの交流戦は3連勝でスタートしました
徳永:交流戦最初の岩手戦は、苦しかったけど相手も苦しんでいたので絶対に連勝しようとみんなで話をしていました。負けていたけど最後の最後で燿平(坂井)が3ポイントを決めてくれた。ちょっと流れが変わってきたかなと思いました。
高田:連勝したことで自信にもなったし、やっぱり西地区はレベルが高かったんだと改めて感じました。正直、西地区イヤだなって。
―1月に坂東拓が加入。印象は?
徳永:最初の練習にきた時から自信を持ってやっていると思いました。今まで彼が成し遂げてきた功績が自信につながって、思い切りのいい選手だなって。
高田:僕が前にアローズにいた時(2008~2012)、彼は高校生で練習に来たりしていた。成長した彼を見て、自分も年を取ったなぁ~って感じました(笑)俺、まだ(バスケ)やってたんだ~って。
― 坂東の加入もあって少しずつ勝ちを重ねましたが第20節にプレイオフ進出が消滅。その時の気持ちは?
徳永:もうB2残留としか思っていませんでした。気持ちをスッパリ切り替えた。上にいけないなら絶対に残留だって。
高田:特に意識はしていなかったですけど。1つでも多く勝ちたかったのでチームでまとまっていけるよう意識しました。
―第23節2日目、島根の連勝を21で止めました。高田選手はこの時、ケガでチームを離脱していましたがチームを外から見ていて何か違いを感じましたか?
高田:1戦目もいい流れだったので、やってくれるかなと。みんな思い切りのいいディフェンスからのオフェンスが出来ていたので。首位で連勝中の島根に勝ったというのは選手の自信になったと思う。忍と言ってたんですけど俺らいらないんだなって(笑)。
徳永:正解!(笑)
高田:冗談でね。ちょっと悔しかったから。その場にいたかったなって。
徳永:交流戦の中でやっぱりうちは勝てるチームだと感じ、そこから自信につながった。みんなレベルアップしているし、僕自身もレベルアップできたなと思っていたので、これはもうシーズン前半の仕返しをしてやろうと。それに、この時は秀一さんも忍も(坂井)燿平もケガでチームを離脱していて、3人のためにっていう気持ちが強かった。そういう状況ってチームが良くなったりする。
―ケガから復帰した高田選手は第26節2日目の愛媛戦で今季自己最多の17点を挙げチームに貢献しました。
高田:足の状態は良くなかったんですが・・・。チームで戦った結果だと思っています。いいパスを出してくれる味方がいるからこそ自分も点が取れる。徐々に自分たちのスタイルが分かってきたんじゃないのかなと思います。
― 最終戦の熊本戦。延長にまでもつれこみ劇的な勝利を掴みました。
徳永:絶対に倒してやろうという気持ちで臨みました。僕らは結果が決まっていたけど向こうは決まっていなかった。僕らとの結果によって何かが変わる、番狂わせしようってみんなで話していました。それと某TV番組で熊本が取り上げられていて開幕戦もうちが負けて「熊本スゲ~ッ」みたいになっていたので、そのままじゃ絶対に嫌だった。勝って良かった。
高田:最後に勝てて終わるというのは来期につながる。本気で戦ってきた熊本をリスペクトするし、それに対して勝てたので凄く成長したんじゃないかなと思います、チームとして。
徳永:終わった後に、みんなが「めっちゃ良かったよ」って言ってくれて。それを聞いて勝てて本当に良かった、ああいう試合が出来て良かったなと思いました。
―シーズン終盤になって島根・熊本・広島から初の白星を挙げました。シーズン序盤と終盤、何か1番変わりましたか?
徳永:試合に出られていない選手から迷いや自信のなさが見えていたんですが、試合を重ねそこに勝利が加わって自信につながってきた。みんな自信を持って最後は挑んでいたと思います。
高田:自分たちのスタイル、オールコートでディフェンスしてパスをまわす。シェイ頼りじゃない時は凄くいい形でバスケをしていると思う。いい形でバスケをできる時間が増えてきたと思います。
―19勝41敗という結果について。
高田:他のチームがプレイオフで盛り上がっているのを見ると、やっぱり凄く悔しい。あの場に立ちたいなっていつも思っています。
―この結果は何が1番足りなかったから?
徳永:何だろう・・・。(暫く考え込む)チーム作りは難しいなって感じました。メンバーがほとんど変わって新しいバスケットを構築して自分たちのスタイルを作るのには時間がかかる。そういう意味では勉強になるシーズンでした。
―個人のプレイをみると徳永選手はキャリアハイを2回更新(第10節2日目vs愛媛で18点。第19節1日目vs福島で22点)また全試合出場を果たし、スティールはリーグ6位と大活躍でした。
徳永:数字が1番出たシーズンでした。愛媛戦(第10節)で点数を取らない、アシストできない、リバウンド取れないじゃ試合に出ていてもダメだなと感じ、そこから数字も気にするようになりました。それが良かった点かな。反省点は、もうたくさんありすぎて。まだまだ、へたくそだなって感じています。もっと上手くなれるって。
―高田選手は終盤、ケガでの離脱もありましたが52試合に出場。攻守にわたりチームに貢献しました。
高田:厳しいシーズンでした、インサイドをやらないといけなかったのが。これまでミスマッチの時以外に(大きな相手を)背負ってプレイすることがなかった。広島や熊本など大きい相手の時もチームルールでヘルプにきてもらえないから自分で守らなきゃいけないっていうのはつらかった。けど、いい経験ですね。
―今季、印象に残った試合は?
徳永:やっぱり、最終戦ですかね、振り返ってみると。逆転してリードして追いつかれて
勝つというバスケの醍醐味がつまった試合を最終戦で出来た。それを1,500人の人が見てくれたというのが印象的。香川ファイブアローズの未来像が垣間見えた試合だったんじゃないのかな。(※観客数1,525人)
高田:東京EXに勝った時ですかね(第22節1日目)。僕は出てなかったけど。それまで観客が少なかったけど、あの時はたくさん来てくれた(1,627人)。あんなにたくさんの人の前で試合をできるのは選手にとってモチベーションが上がる。良いプレイをしたら凄く盛り上がるという中で試合が出来るのは素晴らしいこと。それに何より勝てた!香川も常にこんな風であって欲しいなと思いました。
―シーズンを終えて。互いの印象は変わった?
徳永:もう、おふざけの塊!写真とか全部ふざけてますから。それが秀一さん。最初はもっと頼りがいがあって・・・とかね。でもいろんな選手のことを気にかけて、各選手に合わせて歩み寄ったりしてくれます。ありがたいです。
高田:林太郎は出場時間が増えることによってプレイヤーとして成長し、自信になったと思う。伸びしろがあって、もっといい選手になっていくんじゃないのかな。
徳永:31歳なんですけどね(笑)
高田:ここからがスタートということで(笑)プレイ以外では後輩にちょっかいを出されまくっています。特に、大暉(堀田)と哲(前村)。こんなにいじられるのかっていうくらい、いじられてますよ。
徳永:その方がラクなんで。キャプテンとして怖がられるより、そっちがいいかなと。それが香川のチームスタイル。

―二人にとってアローズはどういう存在?
徳永:(かなり考えて)お客さんも少ないし、今が底辺だと思うんです。だからこそ可能性がある。もっと盛り上がって欲しいし、知名度も上がって欲しい。香川と言えば“うどん県”、それと“ファイブアローズ”ってスグに思ってもらえるように。
高田:最終戦くらいのたくさんのお客さんにいつも来てもらいたい。僕、島根にいたんですが(※2014-15)常にああいう状態で試合が出来ていたので選手もやりがいがあった。そうするためにフロントも選手もどうやったらもっとお客さんが入るか考えていかないといけない。お客さんが入ることでチームも強くなっていくと思う。『週末はアローズの試合を見に行こう』っていう。
―ブースターへ向けてメッセージを。
徳永:最後まで応援ありがとうございました。このチームは可能性がある、実現していけるチームだと思っています。
高田:勝てない時も変わらず会場に応援に来ていただいて本当に力になりました。選手もパフォーマンスを良くして、勝つことで感動を与え、もっと多くの人に見に来てもらえるようにならないと。ありがとうございました!
取材の時点では2人が来季もファイブアローズでプレイをするのか、移籍するのか定かではない。けれど、これだけはハッキリしている。2人がファイブアローズの未来をつないでいる存在だということ。だから、どんな答えを出そうとも2人を、そして今季、ファイブアローズの新しい1ページを開いてくれた全ての選手を応援し続けたい。
取材協力:SANTA’S DINER
取材:中条さくら
