【ゲームレポート】ファイブアローズB2初年度最終戦は勝利!そして来季へのTo be continued…(5月9日 香川ファイブアローズ)
2016-17B.LEAGUE2部 最終節最終戦
香川ファイブアローズ 87-86 熊本ヴォルターズ
@高松市総合体育館 5月7日(日)
(写真:山中大地 記事:上溝 真司)
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(第4Qフォーブスのブロックが決まり、反撃へ走り出すファイブアローズ)
「うわぁぁァァァァ」
テキストではとても伝えられない、1500人の大歓声とともに香川ファイブアローズ60試合の長丁場はフィナーレを迎えた。
昨年度に各チームで主力として活躍していたのは、継続契約の高田、大分・愛媛でエース格だったタプスコット、広島Lの大澤、前村、鹿児島の近の5人。うち、広島Lと鹿児島はそれぞれリーグのドアマットチーム、そして高田は故障があり無理ができない。タプスコット以外に、昨季より試合数が増えた60試合を戦い抜けると自信をもって言える選手はいない状態からのファイブアローズの船出だった。
しかし・・・・・、たくましい、いや、たくましくなった。
開幕当初は考えもつかないほど選手たちはこの日力強かった。勝利して雄たけびを上げる、こんな眩しい選手たちのがいる光景は信じられない。
絶対エースにして今季のリーグ得点王、大黒柱のタプスコットが前夜の試合で骨折。”戦術タプスコット”が大きなファクターのファイブアローズにとって「しょうがなかった」と言い訳が立つ環境の試合開始。
第1Qは予想通り熊本に先行される。ウォーレンに加えて前日の故障で中西、神原が出場できないのを物ともしない熊本エース格の古野、福田ら。かたや、ファイブアローズは6ターンオーバーを喫し状態は悪かった。16-24と8点の差を付けられる。2Qは熊本がシュートを落として点差は詰まったが、4ターンオーバーを加えて前半で10本。
3Qにも4ターンオーバーを犯して、3Q終了時点で49-61、この日最大差となる12点差。
逆転プレーオフ出場へ、そして100人を超えた赤い客席の後押しを受け、モチベーションの高い熊本に蹂躙されて終わる、この時点での筋書きはそうだった。
だがしかし、
それに抗ったのは”ファウルが多く、フリースローが入らないビッグマン”だった、エイドリアン・フォーブス。
熊本主将の小林がファウルを貰いながら3Pを決めて57-69、差を一桁にしたものの再び12点差とされる。
ここからフォーブスの戦いが始まる。ジェームスを正面から叩き落とすブロックを決めると、ゴール下を押し込んでジャンプシュート。さらには、熊本ビュートラックのオフェンスチャージを誘い、小林のパスミスを盗み、ビュートラックにブロックショットを2本もお見舞いする。徳永、近らが得点を重ねて残り4分半で4点差まで詰めた。
残り3分を過ぎてからは、近のシュートが外れればオフェンスリバウンド&フックシュート、さらに次の熊本の攻撃ではビュートラックに3本目のブロックを決める。徳永のアシストで溝口が3Pを沈めた残り2分26秒で、ついに同点に追いついた。
逆転の一投もフォーブスだ。72-73の残り1分19秒、ニカのシュートのこぼれ球をタップして74-73。
徳永が決めた後に追いつかれて延長戦へ突入となったが、このQで9得点7リバウンド4ブロック1スティール。こんなにフロアを支配できる選手だと、開幕時に誰が想像できただろう!
5分間の延長戦で輝いたのは、”率が上がってこず、感情的になる脆さがある選手”だった、近忍。
小林、ジェームズが決めて先行する熊本に、ニカ、フォーブスのインサイドで付いて行くファイブアローズ。1分42秒、ステップバックしながらのタフショットを決め、およそ20秒後にはペリメーターでパスを受けながら、3Pラインへ下がって投じる。リングに触ることなくネットを揺らして85-83。劣勢の中訪れた近のショータイムで、延長戦初めてリードを奪った。
熊本のタイムアウト後の攻撃でスティールを奪った近。このプレーでMVPが確定した。勝負所をきっちり決めて見せ、タプスコットの代わりを務めるという試合前の決意にたがわぬ、エースの責任感を見せた。

溝口が決めて87点目、熊本の反撃で87-86となり、残り7秒でフォーブスが古野のレイアップを叩き落として勝負あり。
チームがうまく回らなくても、プレーオフがなくなっても、ベストを尽くすことをやめず、途切れることなく向上してきたチーム。それをなぞるかのような試合。リーダーとしてまとめ切った徳永林太郎主将を中心にシーズン前とは見違えるような輝きを放った。ファイブアローズのBリーグ初年度は苦くはあったが、ハッピーに幕を下ろす物語だった。
熊本も、シーズン開始前に地震の被害を受けた中での大変なシーズン、プレーオフへという目標があったにせよ暗中模索の60試合だったに違いない。そんな中100名を超えたブースターだけでなく、メディアも高松へ随行し”熊本のモノ”になって定着しているのだなというのを感じさせた。来季はもっと素敵な、そして手ごわいチームへとなっていくことを予感させる物語を紡いだ。
スポーツは筋書きがないと言われる。
まったくその通り。こんなドラマは、かけない。
力がなくて、あるいはフィクションとしては照れくさくて。生モノだから、その場でライブに共有するから喜怒哀楽、何らかの感情が揺さぶられる。スポーツが愛される所以がそこにある。
ファイブアローズにとって、選手たちにとって成長物語だった第1章は閉じた。そして、それぞれにとって最高の「引き」でTo be continuedとなった。
それぞれが来シーズンどのようなストーリーを形作っていくのか、楽しみでしょうがない。

| 香 川 | 熊 本 | |
| 16 | 1Q |
24 |
| 20 | 2Q | 15 |
| 13 | 3Q | 22 |
| 27 | 4Q | 15 |
| 11 | OT1 | 10 |
| 87 | 合計 | 86 |
(香川:近 23得点、フォーブス 17得点17リバウンド7ブロック、ニカ・ウィリアムズ 16得点15リバウンド、溝口 10得点 )
(熊本:古野 18得点7リバウンド9アシスト、ジェームズ 18得点16リバウンド4ブロック、小林 15得点 )
