【ゲームレポート】高松8連敗。全て出し尽くしての完敗、そして再生への第1歩(2月15日 高松ファイブアローズ)

ターキッシュエアラインズbjリーグ2015-2016 Regular season 第18節第2試合
高松ファイブアローズ56-82島根スサノオマジック
@高松市総合体育館 2月14日(日)

中條悠佑TOP
2月14日、バレンタインデーに行われた対島根スサノオマジック第4回戦は、56-82のスコアで敗れた。連敗は8にのび、島根との今季の対戦はこれで終了、対島根は0勝4敗となった。
他会場で行われたプレーオフ対象の福岡、10位の大分・愛媛共に敗れたため、プレーオフ圏、10位へのへのゲーム差に変動はない。

「点差ほどの楽なゲームではなかった。タフなゲームとなりました。」
島根の勝久マイケルHCが振り返ったのがアウェー取材へ対する単なるリップサービスでなかったことは、試合中の興奮したベンチでのやり取りやミスした選手への交代のシビアさからも見てとれた。
高松のディフェンスは島根を追い詰めた。
最後まで集中してボールを追い、リングへ向かう姿勢は途切れることはなかった。

すべてを出し切り、それでも届かない。やっと、やっとチーム力の輪郭がはっきりと見えた。今日はそういう試合だった。

スターティングファイブの発表で客席に軽い驚きの声が上がる。いつもなら鈴木、貝沼が務めるボール運び役の位置にディフェンススペシャリストの米澤を起用したのだ。
”今日はディフェンスで仕掛ける”という明確な意思表示だ。
そしてそれは図に当たる。ウィリアムズのバスケットカウント付き先制ゴールの後、米澤がスティールから速攻、ウィリアムズもスティール、そして強引に押し込んでダンクを決める。
さらに高田がミドルを沈めて、9-0のリード。
島根に先にタイムアウトを取らせた。
ただし島根も巻き返してきて、17-17の同点で第1Qを終える。

第2Q立ち上がりには、鈴木が昨日抑え込まれた岡本を相手にファウル2つを誘い、さらには6点(フリースロー、2P、3P各1本づつ)を挙げ昨日のリベンジ。さらに1つファウルを犯した岡本を2Q2分39秒でコート外へ追い出した。
コート上ではディフェンスの意図が時間が経つにつれてさらに鮮明になる。
「外国人の2人(ランダル、デービス)をダブルチームで抑える」(高田)、「日本人選手の3Pを打たせない」(鈴木)作戦通りにディフェンスを遂行する。
ディフェンスでランダルをゴール下から遠ざけることには成功したが、得点ランク3位ランダルの実力は確かで、3Pを打たせても2/4と高確率で決められてしまう。前半を終えて28-32、4点差。

第3Q、ここまで踏ん張ってきたゴール下がついに持ちこたえられなくなってくる。デービスに、ランダルにオフェンスリバウンドを奪われ、このQだけで9本のオフェンスリバウンドを許してしまう。
必死に食い下がるが、今や優勝候補の一角である島根とのタイトなディフェンス合戦2試合をがっぷり四つに戦った代償はどの選手にとっても大きく、そこかしこで足がもつれる。
3Qを終えて40-50。狙い通りにロースコア展開にはしたが、4Qは「スタミナ切れだと思います。」(津田HC)というよう高松には10点を追いかける力は残っていなかった。一縷の望みを託したファウルゲームも効果的なオフェンスが出来ず点差は離れて、このQで16-32。ウエスタン2位の島根には届かなかった。

「力不足ですね」と一言でまとめた鈴木。そして、これから行うべきことが口をつく。最後に離された無念さより、島根を追い詰められたことへの実感、正しい方向へ向かっていると信じる気持ちが勝っているから素直に認められるのだろう。
ミスは多く、4Qまでスタミナが持たなかった、あるいは最後、勝負の時間帯に交代で出ていける選手がいないのはプロとして問題だ。
だが、少なくともディフェンス面ではリーグトップクラス相手に通用するところを見せ、3Qが終わるまでにあと2~3回ミスが少なかったら、もう一段島根を追い詰められもしただろう。勝てるチャンスもあったかもしれない。結局、大事な場面でミスをしてしまっているのも今の実力だ。
何ができて何ができないのか?それが見えてまずは、今のできることはやり切った、そう言える試合ではあったと思う。

風向きは、変わった。
あとは、「勝つために」練習からやるべきことをやるだけ。
高松ファイブアローズは残り20試合にしてようやく、本当に遅まきながら今季のスタートラインに立てた。

昨日に続いて、ウィリアムズが18得点11リバウンド、高田が11得点と活躍。一方でケント、ジョンソンは2人合計しても10得点以下、10リバウンド以下とゴール下の苦戦がスタッツ上でも明らかとなっていた。
福原は2試合続けて試合終了前に出場。経験を積ませたいスタッフ陣の期待が伺える。
11

津田洋道HC
やっぱり(昨日に続いて)ディフェンスで頑張ったんですけれど、まだやってはいけない事(をやっている)、やるべきことが遂行されていない。
ジャンプパスをやらないとか、練習で注意していることをできていない。
ディフェンスは昨日も今日も頑張った。コーチ陣で話し合っているのですが、オフェンス。どうやったら点を獲れるか。
シュートも打てるチャンスを自ら潰しているところが多い。練習通りに試合でもシュートを打てなければならないんですが。
内容的にはボールにくらいついて行ったりという部分とか今まで見られなかったところは見られるようになっているのですけれども。
≪第4Qはスタミナ切れ?≫そうだと思います。
結局は勝たないかんもんですから。勝つために練習から頑張っていかなければ。

勝久マイケル島根スサノオマジックHC
点差ほど楽なゲームではなかった。タフなゲームとなりました。
高松のエナジーはすさまじかったです。今日はものすごい気迫を感じて、一つ一つのプレーが本当にシャープなオフェンスをやらない限りオープンで打てない厳しいディフェンスをされました。
苦しい時間帯を我慢して乗り越えて、後半はフリースローを与えない、ディフェンスリバウンドをすることで自分たちのペースの試合に出来ました。
エナジー溢れる高松に2連勝できたことは良かったと思います。

鈴木正晃選手
力不足ですね。
外国人選手を止めて、日本人選手に3Pを打たせない。それが全うできなかった。リバウンドでは(高松の)外国人選手が競ったこぼれ球を僕たち日本人選手が取れていれば。リバウンドはもっと取れた。
シュートは僕としてはある程度できていたし、高田さんも打てていた。
僕の課題としては、もっとしっかりボールをつながなければいけなかった。ゲームのコントロールは課題というかやらなければいけない事。しっかりコールプレーを出して遂行しなければいけないし、それが(思うようには)できなかった。

高田秀一選手
エナジーをもって相手のやりたい事をやらせない今日はそれを考えて(試合に)入った。相手の外国人選手にリバウンドをさせない、気持ちよくプレーをさせない。リバウンドとディフェンスが最後まで競った試合にできた理由。外国人選手僕はダブルチームへ行く、マンツー(マンディフェンス)では僕がボールへ最初に当たる。途中まではうまくできていたと思う。
(攻撃面では高松の)外国人選手がしっかり(守備を)引き付けてくれたので外で打てるようにできていた。キャッチアンドシュートというのは練習からやってきていたことだったので練習通りに打てている。シュート成功率がまだまだよくないので、練習から試合のシチュエーションを想定してもっと取り組まなければいけないです。
いいところ、悪いところはまだ半々くらいです。

福原弦選手
点差が空いている状態で残り何秒かで出ていく、自分はプレーだけでなく、練習へ取り組む姿勢から変わってほしいとコーチからは言われていて、練習の時でも準備をしっかりするようにしている。まだまだ、何秒という世界なので、もっともっと少しの時間でもできることをして、信頼されて出場時間を貰えるようになりたい。まだまだだと思っています。

 

高松 TEAM 島根
17 1Q
17
11 2Q 15
12 3Q 18
16 4Q 32
56 合計 82

(高松:ウィリアムズ 18得点11リバウンド、高田 10得点、鈴木 9得点 )

(島根:ランダル 23得点、デービス 21得点16リバウンド、横尾 18得点)

(写真:中條悠佑(坂出商業高校写真部) 記事:上溝真司)

【ゲームレポート】高松8連敗。全て出し尽くしての完敗、そして再生への第1歩(2月15日 高松ファイブアローズ)」への6件のフィードバック

  • 2016年2月15日 @ 7:54 AM
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    前半はなかなかの出来栄えで
    向こうのシュート力とオフェンス力が良かった。
    アローズとしてはディフェンスを継続すれば
    いい試合していけると思う。
    オフェンスはJがボールを持つと個人プレーに走り潰されるので
    Jをチームプレイさせなければ得点増えないと思います。
    Jが得点取ってるけどチームとしてはまったくで、チームプレイとなっていなく流れが止まっている。
    コーチ陣は個人プレーするなと怒らないといけない。
    他の人はチームプレイを意識してできている
    やる気が今試合は伝わってきた

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    • 2016年2月15日 @ 10:55 PM
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      アローズ大好きさん、コメントありがとうございます。島根と高松ではガードとゴール下のパワーバランスは残念ながら島根が上。なもので、必然高田選手、J選手のいるミドルレンジにボールが収まりやすいという展開になりました。
      高田選手はキャッチアンドシュートが持ち味ですが、J選手はボールをついてその中でシュートリズムを掴む選手なので、勢いああいう形になってしまうというところだと思います。鈴木選手も似たタイプですけれどもこの日はキャッチアンドシュートを心掛けていたので、このあたりも徐々に変わってくるのかもしれません。
      選手たちは前と比べれば大分いい緊張感でゲームに望めている気がします。立ち上がりにやられる悪癖は改善されましたね。

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  • 2016年2月15日 @ 11:25 PM
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    足が思うように動かなくても、前に向かっている姿素晴らしかったです。素敵でした!
    今週の試合も楽しみにしています!

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    • 2016年2月17日 @ 1:35 PM
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      Sさん、いつもコメントありがとうございます。高田選手、非常に頑張っています!

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  • 2016年2月16日 @ 1:04 PM
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    島根戦を振り返ると、考えうる手段を出し切り、最終的には地力の差で押しきられた感じでしょうか。庄司AC加入の成果が垣間見られます。特に前半のディフェンスは素晴らしかった。残りの大きな課題の一つは外国籍選手との連携だと思います。ウィリアムズ選手のスピードを活かす工夫をチームとして遂行して欲しい。日本人選手と意志疎通が十分か疑問です。
    最後になりましたが高田選手のカムバックに拍手です。菊池選手と共にチームを牽引して下さい。

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    • 2016年2月17日 @ 1:56 PM
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      Tommyさん、コメントありがとうございます。両チームともに気迫を感じるディフェンス合戦でしたね。あとは山下選手、福原選手らが高田選手の負担をどこまで軽減できるよう成長できるか?ベンチメンバーがカギになる試合が増えてきそうなので、それぞれ練習からの奮起を期待したいですね。ウィリアムズもそうですが、次はケント、ジョンソンにゴリゴリやられたうっ憤晴らしをしてもらいたいと思っています。できるでしょう、奈良の外国人相手なら!

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