【ゲームレポート】貝沼の3Pさく裂!高松イースト3位の新潟から金星獲得(12月28日 高松ファイブアローズ)
ターキッシュエアラインズbjリーグ2015-2016 Regular season 第13節第2試合
高松ファイブアローズ73-69新潟アルビレックスBB
@高松市総合体育館 12月27日(日)
年内最終戦となった新潟アルビレックスBBとの対戦は、3P攻撃の破壊力をまざまざと見せて逆転勝利。アウェーでわずか2敗だった新潟に土をつけた。8勝16敗としたが、一つ上の奈良も勝利したため、順位は10位のまま。
あまりの3Pの威力に空いた口が塞がらない。bjリーグの醍醐味が外国籍選手によるゴール下の肉弾戦にあるのだが、この日の高松はその常識から外れたプレーで試合を勝ち切った。
第1Qの立ち上がりこそ、ジョンソンのゴール下でスコアを稼いだが、7分過ぎ、米澤の1本目の3Pが決まったところからは、みな我も我もと3Pを打ちだす。
前半の主役は山下だ。「思い切り打っていこうということは心がけていました。」と昨日3P1/9の不振をものともしていなかった山下。第2Q立ち上がりから止まったままの新潟の得点をしり目に、3P、3P、2Pシュートと沈めてこの日最大の13点のリードを奪う立役者に。さらに3Pを1本沈めてこのQだけで11点を稼ぎ出した。
第2Qの結果を眺めると、実に7本の3Pを沈めている。3P以外の得点は2P1本のみという徹底ぶり。
普通であれば、これでディフェンスを広げてゴール下勝負、となる。
だがそうはならない。第3Qも3Pを打ち続ける。このQはうって変わってそれが外れる。開始30秒にウィリアムズが2Pを決めたあと、打っても打っても入らず、6分半に堀田が3Pを決めるまで得点がとまり、一気にリードを吐き出し、最終的には49ー48の1点差に迫られた。
勝負の第4Q、津田HCはここまで3P1/5という成績で入っていなかった後半の主役となる貝沼を、5点リードを許した勝負所で送り出す。「確率は持っていので。決めてくれたので助かります。」と入っていなかったことをまるで気にしていなかった津田HCの起用に貝沼が応える。
入った直後から3Pを連発し、3本で9点を挙げ、58-58の同点まで引き戻す。
極めつけは、やはり同点、64-64で迎えた残り1分半でのプレー。「自分が(試合を)決めてやるというつもりでした。」と思いながら打った3Pは、リングの中央を射抜き、これが勝負の趨勢を決めた。
試合を通じて打ちも打ったり3P42本(成功15本)。これは、2P試投数29を10本以上上回り、30本打てば外に偏ったといわれるbjリーグでは突出した数字だ。
高松の3Pをあまり警戒していなかった様子の新潟中村HCは、「よく入った。そういうこともある。1勝1敗は想定内。」と怒りをかみ殺して述べた。
そして、ディフェンスの頑張りもゲームを作った。マンツーマンディフェンスの基本はほぼ変わらなかったが津田HCベンチからの叱咤に途中で手を緩めることなく走り切った。
結果、新潟の得点源、佐藤はハーフタイム明けの練習では顔がこわばり、シュートが決まらない状態になっていた。さらにいうなら、ペイント周辺での攻撃はほぼムール1本になり、ドライブからの攻撃はほぼ止め切った。
「まずはディフェンスから。」「打つべき時は打つ。」これは、年が明けてからの高松のキーワードになるだろう。
戦う姿勢に1本筋が通れば、選手たちは迷いなくプレーでき、自信を生む。そして、その場の良し悪しによらず練習での出来に応じた納得のいく津田HCの起用。これも選手の自信を加速させている。
チーム状態は改善に向かっていることは見て取れる。
試合終了後の会場からはほんのり明るい喧騒感をもった「よいお年を!」「来年もよろしく。」の挨拶が聞こえてくる。
イースト3位新潟戦(結果を受けて4位ランクダウン)の勝利は、熱狂的に浮かれさせてくれるほどの勝利ではなかったが、明るい気持ちで年越しを迎え、来年に希望を持たせてくれる勝利だった。
年明けの対戦は1月16日、17日ホーム高松での京都戦。高松ファイブアローズはインターカンファレンスの戦いを終え、再びウエスタンの激戦へと突入する。
津田HC:
選手たちが頑張ってくれたの一言に尽きると思います。決めるところで決めて、それが大きかったです。いい経験になって自信に繋がると思うので非常に貴重な1勝だったと思います。
(貝沼)裕介は高校時代、私が北陸でコーチしていた時見ていた選手だったのですけれど、これまであまり出番がなかった。思い切って起用して当たった。(高い成功)確率は持っていので。決めてくれたので助かります。
山下も貝沼もいいシュートを持っているんだから、打つべきところでは打たなアカンよと。1本2本落としたからと言って考えることなく思い切って打てばいいんだと。ちゃんとしたいいタイミングであれば打たなアカン。躊躇するんでなしに打って入れればいいんだと。
貝沼はガードらしいガードでスピーディーにボール運びをやってくれるので、使いました。ターンオーバーが少ないのも彼のいいところ。
貝沼選手:
今までプレータイムを貰えていなかった中で、あれだけ出してもらえたので、勝たせるプレーをしてプレータイムを貰えるようアピールしていきたい。前半は決まっていなかったけれど、シュート自体は打つべきところで打つてていたので不安はなかった。勝負所でカツオ(鈴木)さんでなく自分を使ってくれたので、応えたかった。
カツオさんや楯さんはスカウティングをされた上での今日のプレー。自分はスカウティングされていないから打たせてもらえた。
(勝負の3Pについて、)自分が(試合を)決めてやるというつもりでした。
津田ヘッドコーチには高校時代を見てもらっていて、高松に呼んでもらったので、いいプレーをしてアピールしたい。
山下選手:
土曜日は9本打って1本しか入らなくて、プレーの中で波はあると思うので、思い切り打っていこうということは心がけていました。ヘッドコーチは僕にはとにかくしっかり走れと言われていて。1対1を積極的に攻めてもいいからアグレッシブに。
ディフェンスのことは選手間でしっかりコミュニケーションをとって守れと。
ディフェンスをしっかり頑張れというのはよく言われています。今は埼玉でターバーについて守ったことや、秋田でも田口選手を守って抑えられたことを評価してもらっているんだと思う。
一人で点を取りに行くんではなくて、ボールをシェアして、それを続けて行けばうちはみなある程度シュート力はあるのでチームとしてよく戦えると思います。
(3Pの本数について)尽誠高校の時がそんなでした。特に気にしていなかったです。
※記録はすべて速報ベース
高松 | TEAM | 新潟 |
17 | 1Q |
15 |
23 | 2Q | 14 |
9 | 3Q | 19 |
24 | 4Q | 21 |
73 | 合計 | 69 |
(高松:貝沼 15得点、ウィリアムズ 14得点10リバウンド、山下 13得点 )
(新潟:リード 29得点15リバウンド、ムール 17得点13リバウンド、小松 11得点 )
(写真:山中大地 記事:上溝 真司)
昨日の試合は最高のものでした!
新潟と互角に戦えていて40分間走りつづけれたことが良かったと思います!
3Pは水物なので安定しにくいですが
3P決まるとでかいです!
チームプレイはしっかりしていてアシスト18本という素晴らしい数字!
でもやっぱりタイムアウトは
取るべきだったと思います。
これからの成長が楽しみです
アローズ大好きさん、いつも読んで頂きありがとうございます。この2試合は成績が大きく変わりました。3Pに目を奪われますが、特徴的なのはアシストとターンオーバーです。そこに気づかれるのはさすがですね。
最後、苦しいのは新潟でした。中村氏の苦悩ぶりは中途半端な時間でのタイムアウトチャージで明らかでした。津田氏は勢いを重視したんだと思います。
貝沼選手と彼の能力を見抜いた名伯楽の津田HCに拍手です。ただし、攻撃があまりにも外に偏り過ぎです。次からは内と外のバランスが取れた攻撃を期待しています。あと、高田選手はけがなのでしょうか?心配です。
Tommyさん、いつもコメントありがとうございます。
津田氏は選手の勢いを重視される指揮方針。ブレーキを掛けて試合をコントロールするより、アクセルを踏んで先にゴールするほうが好みの様子。伊藤氏との違いはそこだと感じます。決まっている間は外一辺倒でもいじる気はないですね。42本の3Pも囲みでの指摘で初めて気づいたような振る舞いでした。
高田選手はコンディションが万全でなく、起用は慎重にしたい、とコメントされていました。出場自体はできなくはなかったが、厳しいシーンばかりの試合では投入をためらったようです。
本当に本当に素晴らしい試合でした!!!
初めて会場でバスケットボールの試合を観戦しましたが、選手の皆さんのひたむきな姿に心を打たれました(涙)
念願だったニノ選手のダンクも見られて大興奮!!!
感激しました!
ニノ選手はまだ本調子ではないのでしょうか?辛い事があったばかりなので、あまり無理をせず調子を戻していって欲しいです。
これからも応援し続けます!
ファイブアローズの選手の皆さんへ。
素晴らしい試合を見せてくださり、本当にありがとうございました。興奮と感動、そして幸せな一日でした!
また来年、会場でお目にかかれる事を楽しみにしています。
良い年末年始をお迎えください。
何があろうと応援し続けます!
Sさんいつも読んで頂きありがとうござます。この日は日本人選手が頑張ったので、インサイド勝負が少なかっただけ。ジョンソン選手にはまた別に活躍の機会がきますのでその時に爆発してもらいましょう!
こちらこそ、いつも丁寧にお返事を頂きありがとうございます。
ニノ選手の件は、インサイドの勝負が多かったからなのですね。安心しました。
また次の機会に大爆発!してくれる事を楽しみに待っていようと思います!
見事な勝利おめでとうございます。
今年は、良いチームだなぁって思い楽しみにしていましたが、ここまでなかなか勝ち星が伸びず、毎試合イライラしながら応援していました。
でも、この試合は、久しぶりの強豪からの勝利で良い正月が迎えられそうです。
ただ、ちょっと気になったのが、3Qに外人選手以外に貝沼選手を含め普段ほとんど出場していない選手だけでかなり引っ張って、良い流れを切ってしまい、ほとんど得点出来ず追いつかれたことです。
しかし、結果的には、その後に貝沼選手の怒涛の3Pが決まり、流れを取り戻して勝ちましたが、、、
これは結局、津田HCはこれからのチーム育成を優先した選手起用であって、たまたま3Pが入って救われた結果論であって、あの3Pがなかったら、いつもの悔しい負けだったような気がします。
選手間の相性やスタミナ配分とかプロの指導者としてはいろいろ考えていることだと思いますが、素人から見るとこう見えました。
素人アローズファンさん、読んで頂いてありがというございます。津田HCの方針は、ゲームの流れがうまく行っている間は”イケイケ”です。守備の流れも悪くなく、シュートもフリーの人が打てているうちは、入るか入らないかはあまり問題じゃないと考えておられます。3Qもフリーから打てていたとのことで心配されていませんでした。
それだけシューターの能力に自信をもっておられるのでしょう。「入るんだから打て」と叱咤しまくる感じです。
逆に伊藤ACと違い、試合中での育成云々は全く口にされません。守備のクォリティが確保できているかどうか、練習で行っていることをできているか、をずっと観られている。若手も試合で問題なく動けるレベルだと確信して出しておられるようです。