【ゲームレポート】ファイブアローズ、ホーム最終戦で「雷神殺し」達成。千両役者・近が2年連続ホーム最終戦MVP(5月3日 香川ファイブアローズ)

2017-18 B.LEAGUE2部 第31節
香川ファイブアローズ 78-71 ライジングゼファー福岡
@高松市総合体育館 5月2日(水)
(写真 山中大地 記事:上溝真司)

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香川ファイブアローズは、5月2日に行われたホーム最終戦で西地区優勝を決めているライジングゼファー福岡を78-71のスコアで破り、年末12月30日に続く今季2度目の”ジャイアントキリング”ならぬ”雷神殺し”を成し遂げた。シーズンでわずか11敗しかしていない福岡から2勝を挙げたのは熊本、広島、愛媛の3チームでそれに並んだことになる。
ファイブアローズは21勝37敗とし、B2リーグ全体で14位、同じ21勝の仙台と並んでおり、最終節で13位まで上昇する可能性がある。

今年も近が持って行った!
直近12試合ケガで出場がなかった近。「正直不安はあった」が昨季の最終戦でやはりMVPを取った男がホーム最終戦で燃えないわけがない。 8-10と逆転された1Q4分過ぎに出場すると、ファーストタッチはターンオーバーの連続で落ち着かない中での左コーナー。大澤からのパスを受けると冷静にブロックをワンフェイクで外して3Pを放ち、ヒットさせる。
次のシュートも11-15と離されそうになるところ。スクリーンを使うかのようなフェイクのあと距離のあるスリー。これがきっかけとなってオフェンスのリズムがよくなった。
前半6点リードで折り返したファイブアローズを加速させたのも近。
49-47と追い上げられたところで、福岡のプレスを躱(かわ)すフリッカー・パスからやはり3Pを決めて突き放す。このQさらに1本のスリーとアシストを決めて、近の先導でリードを奪って、福岡の思い通りにさせなかった。
前節で捻挫した今季の日本人エース筑波が出場回避となった。「筑波が出られないなかで、彼の分も(とプレーした)。今日のドライブには筑波が乗り移ったと思う。」とコメントを残した近だが、昨季はやはりエースだったタプスコットが前の試合でけがを負い出られない中で、その思いを背負って戦い、23得点を挙げた。

チームメイトがピンチの時にその思いを背負える。近がシュートを放つたびに歓声を浴び、ファンから愛される所以はここにある。

「スターターの高田と筑波がいなくて、ターンオーバーは19個、不思議な勝ち方。(衛藤HC)」だった。
4Qにも福岡のオールコートプレスに苦しんで6ターンオーバー。3Pも7本も打って1本しか決まらずで、66-63の3点差まで迫られる場面は実際にあった。そこで、ブランドンがダンクに、レジーへのアシストを決めてファイブアローズは息を吹き返した。
本来であれば福岡はここで2つ残していたタイムアウトを取るべきではなかったかと思われたが、プレーオフへ向けて「選手を信じた(河合HC)」福岡をそのまま寄せ付けずに逃げ切った。

いつもと違うことがいい方向へ向かった。「今回は間に合わないので(いつもやっているスカウティングレポートの)ペーパーも渡さなかった。(衛藤HC)」ことや、久しぶりの近復帰をチームメンバーが後押ししたこと、1Qにレジーが足を痛めて自身のプレーへ集中した結果、チームメイトが萎縮してしまうことがある激しい口調も抑えめ。今まで勝つためにと積み上げてきたことが、プレッシャーから解放されたことで大きなモメンタムを掴み、勝利へ繋がった。

次の試合は、今週末5日、6日のアウェー山形ワイヴァンズ戦でこれが今季最後の2試合となる。連勝することができれば、4、5月期での勝率5割達成でフィニッシュ。そしてまもなく来季への準備が始まる。

香 川   福 岡
20 1Q 17
16 2Q 12
25 3Q 23
17 4Q 19
78 合計 71

(香川:ウォーレン 16得点13リバウンド7アシスト、近 14得点、安慶 11得点 )

(福岡:ジェイコブセン 21得点7リバウンド5アシスト、小林 13得点3アシスト3スティール、ペッパーズ 12得点9リバウンド )

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