【ゲームレポート】ファイブアローズ連敗脱出。見えた!取り戻したディフェンス、石川(智)らの成長(4月16日 香川ファイブアローズ)

2017-18 B.LEAGUE2部 第28節2試合目
香川ファイブアローズ 79-70 仙台89ERS
@高松市総合体育館 4月15日(日)
(写真:山中大地 記事:上溝真司)

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(写真:石川(智)は積極的にゴールへ向かい、9得点を挙げた)

 

14日の試合で予感は十二分にあった。
4Qに一度は逆転を許したが、敢えて快勝だったといいたい。チームの武器としてきたディフェンスを決めて79-70のスコアで仙台89ERSを退け、9連敗で止めた。
今季18勝35敗、19勝を挙げた昨季の成績まで、残り7試合であと1勝となった。油断は禁物ながら、奈良、青森、山形と下位チームとの対戦を残しているところから見ても、これから上げていける可能性を見せてくれた。

この試合についてもモメンタムを掴むのが上手くなかったり、相手のエース格と見比べれば個人技で見劣りしていたかもしれない。
しかし、このチームが取り組むべきとしたのはシーズン開幕からディフェンスだった。年末の熊本、福岡撃破もディフェンスの出来がよかったから。年明け愛媛戦での100点ゲームはまさに連勝の最中ではあったが、チームから取り組むべきスタンダードを崩してしまった。
思うに連勝が止まった時には、すでにディフェンスが崩れ切っていた。そして、攻撃がダメだから勝てないんだとチームが思い込んでいたのではないだろうか。基礎なき地盤に家は建つはずがない。相手をどれだけスカウティングしようが、攻撃の工夫をしようが、そのディフェンスへのスタンダードが成り立たない限り今季のファイブアローズは「ナシ」なのだ。

いみじくも仙台の髙岡HCは「前日は外のシュートを決めきることができて昨日は勝つことができましたが、今日はそれでも同じディフェンスをしてこられて。」といい、負けてもぶれずに14日やったことをそのまま継続できていたことを証言してくれた。
ペリメーターでのダブルチームの仕掛け、パスコースを限定してのスリーポイントラインへのローテーションの流れ、ミドル、ロングリバウンドへの反応とボックスアウト。完ぺきだったとは言えないが、年末時の動きを取り戻している。
証拠にC・ウィリアムズJr、クザン、チョルの仙台外国籍3名は合計で2P4本、試投数でも11本しか許していない。これだけ抑え込めていたら、多少なら3Pがよく決まっても怖くはない。
ピンチを生んだのは、パスミスやオフェンスミスやリバウンドの取り損ねから。ここさえもっと改善されればなれば本当に強いといえるチームになれるのだが、それは次期への課題になってくるところだろう。

 

連敗のもがきが生んだ収穫もこの2試合は見られた。
木村は「ボールを触りたいし、シュートを打ちたいというのがたまっていて、来たら打ってやろうと思っていました。」と語ったようにクラッチタイムで自ら打開する意欲を見せたし、それは筑波も同様。この日スリーなしで9得点の石川智はミスをしてHCからハーフタイムにコテンパンに怒鳴られても下向くことなく、発奮して自らバスケットへアタックしてフリースローをもらいに行った。クウソーは手をはたかれようが、挟み込まれ物理的に潰しに来られようが、ローポストで体をはった。ブランドンはこれまでのロングの飛び込みだけでなく、ペリメーターでのスピンムーブを披露。これらは優勢に進めていた時期でもなかなか見られない光景だった。
個人的な成長は、基本へ立ち返ったことでより一層輝く。スタンダードを取り戻した以上、ファイブアローズは簡単に勝利を譲り渡すことはないだろう。
残り7試合。遅い、本当に遅蒔となってしまったがファイブアローズと選手たちの反攻、貼られたレッテルや低評価への反抗はこれから始まる。

(溝口は仙台トップの17得点、3Pがことごとくヒットした。)

香 川   仙 台
22 1Q 15
20 2Q 14
16 3Q 25
21 4Q 16
79 合計 70

(香川:ウォーレン 28得点17リバウンド、筑波 10得点6リバウンド4アシスト、石川(智) 9得点3ターンオーバー )

(仙台:溝口 17得点、泉 14得点、石川(海) 9得点5アシスト3スティール )

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