【ゲームレポート】新年アローズ またしても勝利へあと一歩届かず(1月18日 高松ファイブアローズ)

ターキッシュエアラインズbjリーグ2015-2016 Regular season 第14節第2試合
高松ファイブアローズ81-87京都ハンナリーズ
@高松市総合体育館 1月17日(日)

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最終スコアを見れば、高松81ー87京都。昨日のゲームが高松81ー88京都で、この日もまた、非常に惜しく感じる試合だった。最終的に昨日の試合よりもこの日の試合は1点分改善した。

昨日との違い。際立っていた事。それは第2クオーター。昨日試合に出ていなかった菊池と鈴木が精力的に動きチームを後押しした所によるだろう。

その第2クオーターの立ち上がり、右45度から2本連続で菊池がスリーポイントを決め勢いをつければ、鈴木も積極果敢にドライブからのレイアップをねじ込む。更には、スピードあるドリブルで切れ込んだ鈴木から菊池にボールが渡り早い展開の中もう一度スリーポイントを沈める。じわじわと第1クオーターに開いた点差を縮めていく。ディフェンスでは菊池が京都ハンナリーズの薦田のシュートをブロックするなど簡単に得点を許さない。相手外国籍選手のエハンベとジョンソンに対するディフェンスも菊池、米澤、鈴木とヘルプに回り、しっかりと抑えれば、逆に戻りの遅れる相手を尻目に返しの攻撃で速攻を仕掛けていく。ディフェンスでは米澤が素晴らしいが、ここぞの集中力や連動性、特にディフェンスの強度の面で目を見張る働きを菊池と鈴木のふたりも見せた。第2クオーターだけのスコアを見れば高松27対17京都とこの日、高松ファイブアローズにとって一番の出来とも言えるクオーターだった。
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後半からは、去年高松で活躍した藪内が立て続けにポイントを稼ぐなどし、なかなか追いつくことが出来なかったが、ウィリアムズの連続得点で試合終盤遂に1点差まで詰め寄ることができた。しかし、ウィリアムズが得点を抑えられてしまうと攻め手を欠き、逆に京都のコッツァーや藪内といった選手に要所となる得点を決められて逆転とまでとは到らなかった。

終盤に1ゴールを争う場面で、鈴木が出場することが出来ていたなら、その切れ味のあるドライブからの得点で、終盤の作戦の引き出しとしてひとつ加えられたかもしれないが、それも見られなかった。京都はインサイドの主軸であった、コッツァーやジョンソンがあと一つのファウルでファウルアウトというところであった為に、スピードのある鈴木がコートに居ることは驚異になったはずだったが。若しくは、スリーポイントシュートを狙うための菊池や米澤、山下、楯や貝沼、高田といったシューター打たせる為のセットプレイなども考えられたはずだ。やはりこれから求められるのは、若手選手とベテラン選手の上手く融合した試合だろう。

終盤のファウルゲームにいくタイミングの遅さであったり、タイムアウトの使い方。タイムアウトでのゲームの修正の仕方といったところは気になる。一点差を争うようなモメンタムを掴む瞬間に対する作戦と、それを実行するプランニングとアクションの部分が不十分だ。選手にとってもコーチングスタッフにとっても、ひとつのゲームに対して「やりきった」「やれるだけのことはやった」そういうゲームを積み重ねていくことが重要だ。
16日の試合では試合残り時間、1分を切った場面などがそう。ベンチとコート上の選手でファウルゲームをするかどうか確認していたが、指示と意思疎通が不十分で京都に対し時間をゆっくりと使わせてしまった場面があった。追いかけるチームは時間を消費せずに得点しなくてはいけないはずで、点差を縮めることが出来れば対戦相手にプレッシャーを、自チームに希望と勇気を与えることが出来る。

そして、習慣のスポーツと言われるバスケットボール競技だ。仲間5人が連動して動き、更に相手チームの5人の反応する動きを想定する。練習で普段やっていないプレーを本番の試合でそのままアドリブでやれてしまうほど試合は簡単ではない。目まぐるしく攻守を交代させる中で、相手チームの思惑を上回るプレーをチーム全体で共有し、綿密にプランニングをすべきである。

練習を通してコート上のアイデアを表現するメソッド、アイデアを植え付けるチームの原則、メニュー、システムの構築が不可欠だ。例えば、富山グラウジーズのボブ・ナッシュHCは「バイブル」と呼ばれる、プレイブックを選手全員に渡し情報の共有を図るなどしていることで知られている。後半戦に向けて「個」から「組織」へチームが生まれ変わり個々が、チームが「成長」を実感できるチームになれるようにしなくてはいけない。

レギュラーシーズンの前半が終わり、オールスター・ブレイクとなるが、ここからシーズンの後半に入る。そこでチームとして闘う事が出来るようにする為の最も重要なファクターは、新たなコーチングスタッフの加入とそれによるベンチワークのサポートと言っても良いだろう。高松ファイブアローズ、2015年12月24日のニュースリリースでは、「プロリーグに知識と経験が豊富なアシスタントコーチの獲得を現在、検討・交渉中」とのことだが、発表が待たれる。

02
津田 洋道HC :
(今日の試合を振り返って)
非常に残念に思っています。勝ちたかったです。だけど冷静に考えると技術的なものも含めて力不足だと思います。精一杯もっている力を出してくれたものが昨日、今日の結果だとも思っています。

(最終クオーター終盤で1点差まで詰めてのチームの作戦は)
特別な作戦のようなものはないです。今のチームにおいては先ずは一生懸命にやろうというところが第一で。

(ああいう場面でのディフェンスはどういったものだったのでしょうか)
ディフェンスは頑張ってくれましたが、コミュニケーション不足でミスがあったところが大きかった。少なくとも2本、真っ直ぐ走られてノーマークのシュートをやれれたところが大きかった。お互いがカバーし合うといった連係プレイ。練習中も言ってはいますが、コミュニケーションを取りながらやるというところを。それだけではないですけれども。お互いに確り喋りながらやっていくというところですね。

(今日は菊池選手が第2クオーターから出ていました)
頑張ってくれました。あれくらいチームを引っ張ってくれたら若い選手も頑張らないといけない気持ちになるので、そうやって底上げしてくれると。今日は本当に頑張ってくれました。

(鈴木選手も2クオーター出ていましたが、積極的なドライブも見られました)
そうですね。彼の持ち味をだしてくれました。頑張ってくれました。今日ハーフタイム中にまた、同じ親指の部分を痛めてしまったので、出る機会を失ったのですけれど。

(この2試合の経験を経て、今後力を入れていくべきところは)
今日、選手には言ったんですが、一位の京都相手にこれだけのゲームがやれるんだから日頃の練習でもっと高い意識の下でがんばることが大事なんじゃないかということを話しました。それぞれが、ひとつ、ふたつ、みっつくらいレベルアップした気持ちで練習に臨んで欲しいと思っています。練習が全てなんだという僕の考えなので。練習で出来ないことは試合に出来ないのだから。練習で一生懸命やって力をつけようというところが大事だと思います。それが自然と積み重なって勝利に結びつくゲームになっていくと思います。練習から手を抜かないで頑張るというようなことを言いました。

 

米澤 翼 主将:
(ゲームを振り返って)
昨日と同じような展開で負けてしまって。最後いいところまではいったんですけれど。追いつけずに負けてしまって。リバウンドだったり細かいミスがこの結果に繋がったと思っています。

(試合の終盤で高松71対72京都の1点差まで行ったときにチームでどういう風にやっていこうかというのは明確にあったのか)
コッツァー選手のリバウンドが強いというので、外国籍選手だけじゃなく、日本人選手もリバウンドに後ろからチップしたり、チームでリバウンドを5人が全員で取りに行くというようなところを先ず。その細かいミスだったり。

最後の追い上げのところでシュートが入らなかった部分。どの選手でどのシチュエーションでシュートを打つのかと言う部分で、今日の京都のジョンソン選手のファウルが4つだったのでそこを攻めれば良かったのかなとも思っています。外に偏ってしまった部分があったので。VTRを細かくチェックして見ないと分からない部分もありますが。そういうところを修正していけたら良かったのかなと。

(京都ハンナリーズのスタッツリーダーであったコッツァー選手のファウル4つになったところで、そこを攻めようというチームでの意思統一はあったのか)
ありました。しかし、そこを突く前に選手がシュートを打ってしまったという部分があるので。強く強調して言うべきだと思いました。チームとして闘うという部分だったと思います。いけいけどんどんのスタイルでは京都みたいな強いチームとやるとなかなかそうはいかないと思うので。そういった部分をスマートな判断ができるようにしなくてはいけないですね。

(レギュレラーシーズンの前半を終えて)
今日、前半戦が終わって2連敗という嫌なカタチで終わってしまったんですけど。今週オールスターを挟んで、次がアウェイ金沢戦。必ず金沢では二つ獲って高松に帰れるように。
そして、今自分がやれることが何なのか。自分の仕事は何なのかということをそれぞれが確認して。また改めてチームとして闘っていけるように。練習からベストを尽くしていくということが大事になってくるとおもうので。練習から頑張っていこうと思っています。
ジャービス・ウィリアムズ 選手:
(今日の試合を終えて)
1位のチームを相手にこういった接戦で戦えたというところは、評価できるのかなと思います。細かい部分。修正というところは勝つ為には必要になってくるので。そういったところを気をつけていきたいと思います。

(終盤での追い上げでの連続得点どういった気持ちでコートに入っていったのか)
コーチもチームメイトも自分を信頼してボールを回してくれてプレーさせてくれています。また激しさのあるゲームの中で集中して入っていこうとしていました。

(勝利に足りなかった部分があるとしたらどういったものだったのか)
何かひとつではないですが、あともうちょっと少し伸ばしてシュートチェックにいくとか。あと少しボックスアウトをするだとか。そういった細かな部分ではないかと思っています。

(最終クオーターで1点差まで詰めた場面で連続失点を許してしまった。どういう風にチームでいこうと決められていましたか)
チームからは、試合がどんどん激しくなっていく中で、むこうのファウルも込んでいたところで、ゴールにアタックするということを意識してやっていこうというところがチームとしてありました。そういう時に、相手のディフェンスがヘルプに来たりして収縮するところがあるので、必ず外で待っている選手を見ながらパス出来るのであればパスをして。でも常に皆が準備している中でゴールにアタックしていくことを忘れずに戦って行こうという指示でした。

(前半戦を終えてチームはどういった状態になってきましたか)
チームとしては上がって来ている。良い状態になってきているのではないかなと思っています。昨年末にイースタンカンファレンスの上位チームにも1試合勝てているというところもありますし、年が明けて二つ負けてはしまいましたが、一位のチームに二日続けて戦えるという試合を見せれたので、先程言った細かい修正というのをやっていく中で勝ちという二文字に繋がるのではないかなと思っています。特に二連敗してしまったことでチーム状態が悪くなったと言う風には自分では考えてはいないです。

(オールスターに選ばれたこと、そしてシーズン後半戦に向けての抱負を)
まず、オールスターに選ばれた事に関して、非常に光栄なことだと思っています。このオールスターに選ばれたことは自分だけの力だけではなく、チームメイトがいなければ選ばれなかっただろうし、コーチがいなければ自分は選ばれていないことなので、チームメイトとコーチ陣に本当に感謝しています。そして、後半戦に向けてはポジティブな気持ちをもって、前向きな姿勢を貫いていけたらなと思っています。コーチが要求すること、チームメイトが要求することをひとつひとつこなしていって、得点を獲ること、リバウンドを取ること、ディフェンスを頑張ることっていう細かいところをやらないといけないことをしっかりこなしていって、常に前進する気持ちでやっていこうと思っています。

菊池 宏之 選手:
(今日の試合を振り返って)
(京都ハンナリーズは)1位のチームではありますが、京都は二人の外国籍の主力(デイビッド・パルマ—とラリー・オーウェンス)が変わって前のような絶対的に強いチームとは言えない部分があって。今日は勝てるチャンスというのはやっぱりあったので。悔しいですね。

(昨日、試合に出られなかったことがあって、今日の起用となりました。ブースターからは起用に関して気にかける人も多かったと思います。第2クオーターでコートに立った。3ポイントも連続で決める場面もありました)
昨日は正直。悔しかった。怪我をしていないという状態で試合に出ていないということはこの9年間の中で初めてのことだった。毎週試合がこうやって有る中で、次の日も試合がある。そういう中で、自分の心の整理をするのが大変でした。プロとしてやるべき事をやらないといけない。切り替えて。気持ちを入れて。今日はやっていこうと思っていました。

(今、菊地選手がチームに与えられることが出来る部分、貢献できる部分は)
自分がシューターとしてシュートを決めて貢献するということが一つ。もう一つは、他の日本人選手よりはサイズがあってリバウンドにも絡めると思う。そういう部分での貢献。自分としては満遍なくチームに貢献出来る部分は何でもしたいんですけれども。その中でもシュート。シュートだけは確り貢献しなくてはいけないと思っています。

(よくコート上でコミュニケーションを取っている部分。意識しているところは)
若手選手が起用されているので、そこを「思い切ってやれ」という声かけであったりはしています。僕も実際、入ったばかりの時、若い時、先輩選手に声をかけて貰っていたことがあって。そういうところは、確り、今の若手の選手にも伝えていけたらなとは思っていますね。

(リーグ前半を終えて、今この勝率と順位であることに関して)
今日で8勝18敗ですよね。勝てていた試合というのがあったと思っている。正直、12勝14敗、位には持って行けてたのではないかと。後、残り試合が26試合という中で弱気なことは言ってられない。後の残りの26試合チームで確り闘っていけるようにしていかないといけない。もうちょっと良い状態になって勝っていけるようにしなきゃいけない。

(残り26試合を戦って行く中で、闘っていくために菊地選手が考える必要なことは)
纏まるという事。選手だけじゃなくて、コーチ。球団スタッフ。ブースターの皆さん。一つになって闘って行ければというところですよね。相手チームは絶対嫌がると思う。そういう風に纏まって向かって来られたりしたら。高松ファイブアローズが全体としてしっかり纏まっていかないといけないと思いますね。そして、纏まってチームとして闘っている方が見ている方、応援して頂いている方、ブースターの皆さんも絶対楽しいと思うんですよね。そして、コートには5人しか立てない。その5人を確りベンチをはじめ皆で支える。そして出るからには、出ている5人は確りと責任を果たす。皆の分まで戦う。そういうことで纏まりというものが生まれていくと思う。自分勝手にならずに。責任を持って練習からやっていかないといけないですよね。

高松 TEAM 京都
10 1Q
24
27 2Q 17
20 3Q 25
24 4Q 21
81 合計 87

(高松:ウィリアムズ 22得点 12リバウンド 、菊池 12得点 、 米澤 11得点 )

(京都:コッツァー 27得点 16リバウンド 、ジョンソン 16得点  10リバウンド、藪内 16得点 10アシスト )

(写真:山中大地 記事:大津 将平)

【ゲームレポート】新年アローズ またしても勝利へあと一歩届かず(1月18日 高松ファイブアローズ)」への4件のフィードバック

  • 2016年1月18日 @ 4:02 PM
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    京都に接戦を演じれたことは素晴らしいと思います。
    しかし、昨日も勝てた試合でした。
    1Qの14点差がでかかったと思います。

    やはり土曜日の試合はベテランには奮起を促したかと。
    カツオ ヒロがもっとガッツを出してやるべき事をやれば勝てる。
    貝沼を使いすぎるところには疑問があります。
    チーム状況は良くなりつつあり強くなってる。
    後半戦は選手一人ひとりがやるべき事をやり
    責任をもっと持って仕事を全うしてくれたら
    プレイオフが見えてくると思います

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  • 2016年1月18日 @ 10:24 PM
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    京都との2試合で大きな反省点は試合の入り方でしょう。結局1Qにリードされた分を挽回できなかったことになっています。
    スカウティングで相手に負けているのか、コンディショニングが悪いのか、分析できているか疑問です。同じことを繰返し過ぎ。

    返信
  • 2016年1月22日 @ 7:43 PM
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    試合から日数が経ちましたが、書き込みさせていただきます。
     
    1月16日の試合ですが、昨年の新潟戦勝利後の試合ということで非常に楽しみにしていましたが残念でした。
    しかし、1位京都に対して若手主体でこんなスコアの試合が出来るのは凄いと思いました。
     
    これまで上位チームには、全く歯が立たずにボロ負けしていたのを考えれば、HCが代わり、そのコーチングの変化がこういう結果になったのかなって思います。
     
    ただ素人ファンには、その成長理由がわかりずらいのですが、結果だけを見れば88点取られたディフェンスより、81点取ったオフェンス良かったっていうことでしょうか。
     
    しかし、そのオフェンスですが、京都の選手はノーマーク3Pは入れる、高松の選手はエアーボール、それが残念ながら京都との差なのかなって思いました。
     
    また、手詰まりになってインサイドへ強引に飛び込んで潰されることが多いのとインサイド専門の外国人選手が、外から打たされる状況をもっと我慢出来たらって思いました。
     
    オールスター明けのゲームに期待しましょう。

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    • 2016年1月22日 @ 7:46 PM
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      すいません。
      書き込む試合を間違えました。

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